採卵について
採卵を経験された方からメールでご自身の体験に関していただきました！！
※今回の内容は「もも」宛てに個人的に送られてきたメールの内容を患者さんの同意を頂きその一部を載せております。時期が異なったり施設が異なった場合には、実際と違うこともあると思いますのでご理解ください。
■まえがき
私は、結婚して子供を望んでいましたがそんな最中白血病と診断され、妊娠、出産することがとても厳しい状況になりました。
そして、治療方法や治療後の出産の可能性を探るべく三ケ所でセカンドオピニオンを受けました。
ー番目、「放射線治療後は、厳しい。あなたの出産の可能性は低いです。」
二番目、「気持ちはよく分かりますが、まず命を大切にしてほしい。」
厳しいご意見でした。
主治医を含め三人の医師から同意は得られませんでした。それでも、夫婦の意志は固く後悔だけはしたくない思いで採卵の治療を始めました。しかし、正直なところ、自分の行動に医療者の支持がないということは、とても心細いものでした。
三番目、「自分で決めた選択がベストであり、そうなって欲しいと思う。」
私はこの医師との出会いによって勇気付けられ、自分の選んだ道を安心して進むことができました。そして、この難問に色々とご親切なアドバイスをくださり、また、初めて気持ちを受け止めて頂けたことでやっと救われた思いがしました。
こうして、私は絶対に白血病を完治して出産することに望みを掛け採卵をしました。
■初診から採卵までの通院について
１）初診では、前周期の生理の開始日を聞かれます。
２）排卵後よりホルモン剤（プラノバール10錠）を1日1錠服用する。女性にはふたつの卵巣があり、毎月自然にどちらかの卵巣に卵が1個育ちそれが排卵します。ひとつだけが大きくなりすぎないようにするため、薬をのんで卵の成長を整えます。（ホルモン剤ですのでほんの軽い吐き気などの軽い副作用がありました。）
３）服用終了後、3,4日すると生理が来るので、その3日目(D3)に診察をうけます。
ここからの通院は、卵胞の成長度、採血の結果により異なります。
D9 内診と採血 この頃、左右の卵巣に卵が育ってきて自分でもモニターで確認できます。
D11 内診と採血
D12 内診と採血 採卵日の説明をうける。採血の結果により採卵日が決定します。電話で確認します。
D13 自宅でスプレキュアをする。
D14 採卵日
＊スプレキュア 鼻から吸収させる点鼻薬で自然排卵を制御します。
＊場合によっては、さらに卵の成長を促すために注射によるホルモンの補充をすることがあります。
＊来周期の採卵 同じ事を繰り返します。
＊既婚者の方は、卵子と精子を受精させた状態で凍結できます。その為、初診時に精子の検査もあるかもしれません。
■採卵の様子について
決められた時間に病院に行きます。
１）リラックスルーム（ベッドとオペ室のある場所）から呼び出しがかかります。
２）１）の部屋に入り、手術着に着替えベッドで休みます。（他の患者さんは、雑誌を読んだりメールしたりしていました。）
３）10分位休むと、看護師さんからトイレに行くように指示があり、オペ室の前で待機します。
４）前の方が出てくると、看護師さんが名前の確認をし、オペ室に入るとまた名前の確認、オペ台でも最後の確認のため自分で生年月日と名前を言います。
５）大きなモニターに卵胞を確認することができ、針の先から卵が吸いとられる様子を見ることができます。あっと言う間に採卵が終了です。無麻酔の処置ですが、痛みはさほどありませんでした。その後は、止血のガーゼが入ります。
６）オペ室への入室から退室までだいたい5分位です。その後ベッドに看護師さんが来て、採卵の結果と当日の注意事項の説明、そして抗生物質が手渡しされます。
７）その後、凍結されます。
８）30分間ベッドで休んで、出血の確認のためガーゼを取り出します。ここで出血がなければ終了、出血や痛みがある場合は内診となります。
９）受精卵の凍結は、翌日に病院に受精の確認の電話をして、無事受精できていれば凍結依頼をして完了にとなります。
＊受精卵での凍結
ご主人が同行できない場合、あらかじめ容器をもらっておきます。採精から1時間以内であれば大丈夫です。
当日、採精する場合
採卵が無事終えると採精室に入ります。その後精子の検査結果に約1時間を要し、数が不足している場合は、再度採精となります
初めての採卵の方は不安や緊張があるかと思いますが、オペ室に入ってからは看護師さんがそばにいて緊張を和らげてくれたり、励ましてくれたりしてくださいます。
安心して望んでいただけると思います。
